2.番組制作における価格転嫁が困難な構造が浮き彫りに

物価が高騰する中、価格転嫁が進まず収益を圧迫

物価が高騰する中、製作会社における価格転嫁の状況は芳しいとは言えません。
約75%の社が放送局との交渉の場はあったと回答したものの、「物価上昇分の価格転嫁ができた」と答えた社はわずか4.0%にとどまりました。

特に高騰している人件費については、84.2%もの社が「適正に支払われていると思わない」と回答しており、放送局側が提示する人件費が「制作実態に合っていない」という声が多く聞かれました。また、番組制作費については「内容に関わらず、制作費が決定した」と回答した社が5割を超えており、制作実態を十分に反映しない形で制作費が決定されている状況が広く見受けられます。制作費全体が決まっているため、経費の調整を人件費で行わざるを得ない実態もうかがえました。

番組制作費の決定過程では、多くの社で協議の場があったと回答しています。しかしそのうちの半数以上が「協議の場があったが、十分な話し合いに至らなかった」と回答しています。
放送局側からの「予算ありきの制作依頼」は、場合によっては経費赤字リスクを製作会社に押し付ける構図になっているのではないかとの指摘や、価格交渉自体が受注機会を失うリスクとして感じられ、製作会社側は交渉できずにいるといった意見も寄せられました。

物価高騰によるコスト上昇が続く現状においては、価格転嫁が進まない限り、経営努力のみで収益性を維持することは困難です。前段の通り、営業利益の大幅な減少や赤字社の増加が見られ、製作会社の多くはすでに限界的な状況に置かれているといえます。制作費の適正化や契約慣行の見直しを含めた制度的対応について、早急に検討を進めることが望まれます。

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